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焼付塗装とウレタン塗装の違いとは?自動車メーカーの技術者が解り易く解説します

焼付塗装

こんにちはwithHOPEの塩原です。今回は焼付塗装とウレタン塗装の違いについて解説してみます。塗装メーカーに行くと焼付塗装にするのかウレタン塗装にするのかと聞かれたり、逆にウレタン塗装しか出来ないけど良いですか?と聞かれる事があります。塗装業界の人間でも無い限り両者の違いを知っている人は少ないと思いますがどんな違いがあるのでしょうか。

焼付塗装とウレタン塗装の違いは「硬化する原理」

焼付塗装とウレタン塗装は硬化する原理が違います。

逆に言うとそのため住み分けが出来ていて必要な場面で必要な方法を選択することが出来るともいえ間ます。焼付塗装は”熱を使って乾燥させる”、ウレタン塗装は”熱を使わないで乾燥させる”

簡単に違いを表現すると以下の様になります。

●焼付塗装とウレタン塗装の違い

焼付塗装はメラミンやアクリル系の塗料で100℃以上に加熱が必要で専用の設備が必要

ウレタン塗装は自然乾燥または2液を混ぜて硬化させるため専用の設備が不要

表に整理してみると以下の様になります。

焼付塗装とウレタン塗装の違い

焼付塗装は乾燥炉と呼ばれる専用の設備が必要であったり、ヒートガンの様な工具が必要になるため誰にでも手軽に出来るという物ではありません。

逆にウレタン塗装は2液を混ぜれば出来てしまうので、誰にでもやろうと思えば出来てしまいます。

ではウレタンで良いのでは?と思われるかもしれませんが両者の違いは塗膜の硬化に必要な時間にあります。

焼付塗装の方がウレタン塗装よりも絶対的に硬化時間が短いため次の工程にすぐに移れるというメリットがあるのです。

焼付塗装とウレタン塗装の違いは設備が必要かどうか

一般的に焼付塗装とウレタン塗装の違いは専用の設備が必要かどうかです。
それにより塗装作業のやり易さが変わり対応出来るメーカーと出来ないメーカーとに分かれてきます。

焼付塗装では塗料を塗布した後に乾燥炉やヒートガンを用いて100℃以上の熱をかけて熱重合反応により硬化させます。一方ウレタン塗装ではウレタン塗料に硬化剤を混ぜてから塗布し重合反応により硬化が起こります。

焼付塗装は20~30分程度で硬化が完了するのに対し、ウレタン塗装では硬化に数時間かかることからゴミなどの異物混入のリスクも高くなります。

外観や硬度に関しては塗料のメーカーや種類によっても違いますが一般的に違いはあまり無いかと思います。

乾燥炉の設備を持っているメーカーでそれなりの数を塗装する場合には焼付塗装を行い、乾燥炉を持っていないメーカーまたは少量の時や塗装物のサイズが大きくて乾燥炉に入らないという場合にはウレタン塗装を行う事が多いかと思います。

硬さや見た目にさほどの差は無い

塗料のメーカーや種類によっても違うので簡単には比較できませんが、
一般的には焼付塗装とウレタン塗装の硬さや耐久性、見た目には大差がありません。

表現出来る色数も変わりません

よほど特殊な用途でない限り選ぶ時の基準はあくまでも工程の違いや設備の違いで選ぶのが良いかと思います。

 

まとめ

如何だったでしょうか?

一概に塗装と言っても千差万別です。一長一短がありますのでその場その場で必要な塗装の方法を選ぶ必要があります。

ご不明な点がありましたらご気軽に「お問い合わせフォーム」からご連絡下さい。